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YMO Live History 3 [音楽]

From Tokyo To Tokio [第2回ワールドツアー] (1980 / 10 ~12)終了から、1983年「かわいいオジサン宣言」をし、「君に胸キュン」を発売するまでを「YMO第3期」と呼ぶことにする。


1981年3月21日発売 BGM
 1. Ballet バレエ 作詞:高橋幸宏, 訳詞: ピータバラカン, 作曲:高橋幸宏
 2. Music Plans 音楽の計画 作詞:坂本龍一, 訳詞: ピータバラカン, 作曲:坂本龍一
 3. RAP Phenomena ラップ現象 作詞:細野晴臣, 訳詞: ピータバラカン, 作曲:細野晴臣
 4. Happy End ハッピーエンド 作曲:坂本龍一
 5. 1000 Knives 千のナイフ 作曲:坂本龍一
 6. Cue キュー 作詞:高橋幸宏/ 細野晴臣,訳詞:ピータバラカン,作曲:高橋幸宏/細野晴臣
 7. U・T ユーティー : 作曲:YMO
 8. Camoflage カモフラージュ 作詞:高橋幸宏, 訳詞: ピータバラカン, 作曲:高橋幸宏
 9. Mass マス : 作詞:細野晴臣, 訳詞: ピータバラカン, 作曲:細野晴臣
 10. Loom 来るべきもの 作詞:YMO / 松武秀樹


1981年11月21日発売 テクノデリック(左:初期ジャケット、右:現在ジャケット)
1. Pure Jam ジャム 作詞:高橋幸宏, 訳詞: ピータバラカン, 作曲:高橋幸宏
2. Neue Tanz 新舞踊 作詞・作曲:YMO
3. Stairs 階段 作詞:高橋幸宏, 訳詞: ピータバラカン, 作曲:高橋幸宏
4. Seoul Music 京城音楽  作詞:坂本龍一,訳詞:ピータバラカン,作曲:坂本龍一・高橋幸宏
5. Light In Darkness 灯 作曲:坂本龍一・高橋幸宏
6. Taiso 体操 作詞・作曲:YMO
7. Gradated Gray  作詞:細野晴臣, 訳詞: ピータバラカン, 作曲:細野晴臣
8. Key 鍵 作詞:細野晴臣, 訳詞:ピータバラカン, 作曲:細野晴臣・ 高橋幸宏
9. Prologue 前奏 作曲:坂本龍一
10. Epilogue 後奏 作曲:坂本龍一

1981年に発売されたこの2枚のアルバムによってYMOは、大衆(MASS)からは手を切り、自分達の音楽を分かってくれるファンだけをセレクトした。いわばリトマス試験紙のようなアルバム。
1979年9月ソリッド・ステイト・サバイバー、1980年2月公的抑圧、同年6月増殖と立て続けにヒットアルバムを叩き出し「大人気」となったYMOは、BGMというアルバムで人気は低落する。
この、BGMというアルバムが駄作だったから人気が落ちたのか?
それは検索エンジンで「YMO BGM」と検索し、それでヒットするサイトを見てみれば明確となるであろう。
たぶん、多くのサイトでBGMテクノデリックはYMOアルバムの中で最高傑作と書かれている違いない。たぶんね(笑)。
これらは、今までと一転してハードでヘビーなアルバムに仕上がっている。
また、このアルバム以降、リズムマシンの名機 Roland TR-808が使われる。
このリズムマシンにより、テクノ色がより強く出ている。



BGM
タイトル名は、当時YMOの曲はインストロメンタルばかりで「BGM」みたいだという批判を逆手に取って付けられた。坂本の精神状態が不安定だった時(本人は自我が崩壊していたと述べている)に作られたアルバム。そのため坂本色が少なく、高橋幸宏・細野晴臣色が強い。
当時大学に入ったばっかりの私は、このアルバムがこれまでとあまりにも違っていて戸惑った覚えがある。「ソリッド・ステイト・サバイバー」のような曲が当然聞けると思って、レコード針を落としたら、いきなりBalletだもん。何て表現して良いか分からなかった。
Happy Endはタイトルとは正反対ですごく暗い曲だしLoomを聞いていると絶望的な気持ちになってきたものだ。RAP Phenomenaでは細野が「バカ・バカ・バカ・バカ」って言っているし(笑)。
良い曲だなと思った曲は、CueU・Tくらいだったと思う。
それでも何度か聞いていると慣れてきて、コレって良いアルバムなんじゃない??と思うようになってきた。うーん、何度聞いても飽きないのである。

現在になって改めて聞いてみると、RAP Phenomenaは心霊現象の「ラップ現象」という意味のタイトルだが曲は音楽の「ラップ」である(つまり、ラップ現象とラップとかけている)。もしかしたら日本で最初の「ラップ」曲かも?。
Loomの無限音階は気持ちいいし、これはアンビエント・テクノの先駆けかも。
U・Tという言葉は「超地球的存在」と言う意味で「E・T」と意味は同じ。細野はタイトルを「E・T」とつけることも考えたという。スピルバーグ映画の「ET」は1982年製作だから、曲はそれより前になる。ちなみにこの曲は、「ハードコア・テクノ」の元祖とも言われているそうだ。



テクノデリック
「BGM」とは一転して坂本龍一色が強いアルバム。松武秀樹と東芝EIエンジニアの村田研治氏との共同開発されたサンプラーLMD-649を使用。録音時間が1.2秒と短かったため、工場のプレス機械音とか人間の声をサンプリングしパーカッションとして使用している。もしかしたら世界初のサンプラーを使用したアルバムかも?
坂本龍一の影響で、民族音楽色も出ている。
Neue Tanzでは、バリ島のケチャが、Seoul Musicでは韓国音楽が使われている。
この中でSeoul Musicという曲が気になる。1980年頃、坂本龍一が韓国ソウルに行って、韓国音楽に影響されて作った曲であるが、この歌詞を読むと25年前のソウルは現在と全く異なることに驚かされます。
当時の韓国は軍事政権時代で、現在のように自由ではなかったのです。約10年前の1993年になって、やっと軍事政権時代は終わったのです。
「韓流」が流行っていますが、韓国が自由になったのは、ここ10年のことなのです。


9) WINTER LIVE '81 (1981 / 11 ~ 12)

ウィンターライブのステージ
奥村靫正氏のステージデザイン、氏はこのステージデザインで1982年ADC賞を受賞。こーゆーのロシア構成主義と言うんでしょうか。
私は、ウィンターライブのステージを写真で見たとき、その美しさに感動した覚えがある。
なんで行かなかったんだろうと後悔したものだ。
このライブは後にビデオで発売された。しかし、当時まだ学生で高価なビデオデッキはとても購入できなかった。仕方なく、ビデオだけ買った。
しばらくして友達の家でこのビデオを見たときの感動は忘れられない。すごく耽美的、幻想的なライブなのだ。友人はYMOヲタでないのでシラーとしていたが。

この写真は、新宿コマ劇場でアンコールで2度目の Taiso(体操)を演奏しているシーンと思われる。体操服姿のダンサーが登場し、そして坂本龍一がステージ前に出て、ハンドマイクで号令をかけている。
  「前にならえ、右向け右、左向け左、休め、
  気をつけ、回れ右、ブルマー、トレパン、トレシャツ、ハチマキ
  腕を胸の前に上げてケイレンの運動」
最終日には、坂本龍一が、、
  「前にならえ、右向け右、左向け左、休め、
  気をつけ、回れ右、ブルマー、トレパン、トレシャツ、ハチマキ
  サウンドストリート、火曜日、坂本龍一、なんちゃって、
  腕を胸の前に上げてケイレンの運動」
とお茶目なアドリブをかます(笑)。
このアドリブに高橋幸宏は笑ってしまってしまい、まともに歌えなかったらしい(笑)。


左上:細野晴臣、右上:坂本龍一、左下:高橋幸宏、右下:松武秀樹

SETLIST 「1981年12月24日新宿コマ劇場」:
1. Loom(来るべきもの) / 2. Prologue(前奏) / 3. Pure Jam(ジャム) / 4. Light In Darkness(灯) / 5. Ballet(バレエ) / 6. Camofulage(カモフラージュ) / 7. Stairs(階段) / 8. Mass(マス) / 9. Neue Tanz(新舞踊) / 10. Happy End / 11. Music Plans(音楽の計画) / 12. Seoul Music(京城音楽) / 13. M-13 / 14. Cue / 15. Key / 16. Taiso(体操) / 17. Technopolis / 18. Rydeen / 19. Cosmic Surfin' / 20. Taiao(体操)(2) / 21. Epilogue(後奏)

楽器
 坂本龍一:Prophet-5, E-MU Emulator
 細野晴臣:Prophet-5, E-MU Emulator
 高橋幸宏:Prophet-5
 松武秀樹:Prophet-5, E-MU Modular Synthesizer, LMD-649

Tour Schedule:
11月24日宮城県民会館、11月26日岩手県民会館、11月28日広島郵便貯金会館、11月29・30日大阪フェスティバルホール、12月1日名古屋市民会館、12月7日札幌厚生年金会館、12月16日福岡サンパレス、12月18日金沢観光会館、12月22~24日新宿コマ劇場、12月27日ツバキハウス
最後に「新宿ツバキハウス」で終わっているところが興味深い。80年代初頭の東京では、「新宿・ツバキハウス」」と「六本木・玉椿」がニューウェーブがかかるディスコだった?
「新宿ツバキハウス」ではゲストとして、立花ハジメ、梅林茂が参加している。


ウインターライブ 左:CD, 右:DVD 両者に入っている曲は同じ

あと、「One More YMO」というCDにもウィンターライブの中の曲が入っている。
PURE JAM(ジャム)、SEOUL MUSIC(京城音楽)、MASS(マス)

SETLISTの中の太字以外のライブ曲はCDにもDVDにも未収録である。
「BGM」、「テクノデリック」のアルバムの中の曲は「Ballet」、「Key」以外は収録されている。
しかし、有名な「Technopolis」、「 Rydeen」は未収録である。
ウインターライブでは「Technopolis」の中の「トキオー」の部分を、「会場の地名」で叫んでいた(例えば「T, E, C, H, N, O, P, O, L, I, S センダイ」)ので、ぜひ聞いてみたい。

ウインターライブが完全収録されたCD、DVDはないので、ぜひリリースして欲しい。

(つづく)
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